カテゴリー「力学」の記事

2011年11月11日 (金)

運動量保存則が成り立つ座標系とは

運動量についてさらに追求します。
複数の質点が互いに相互作用しても作用反作用の法則から互いにうち消しあって系全体には力はかない。このことから系全体はあたかも一個の粒子として運動しているのと同じことになる。内部の力以外に力がかからなければ当然等速直線運動をする。
ここである考察が生まれる。
 ある地点で運動量の測定を行い、ある時間経ったら当然別の位置に移動している。最初の時刻の位置をAとし、経過後別の時刻でBに居たとするなら、AとBの運動状態が変わらないのであれば、初期状態が不明なら、自分がどの位置にいるか不明であろう。つまりA地点とB地点を区別する手段を持たないことになる。ということは運動量保存則が成り立つ座標系ではどこを取っても平等であろう。それは運動量保存則が成り立つ座標系ではあらゆる点において力学的に一様であり、このことは座標の原点は自由に取れることを意味する。このように運動量保存則が成り立つことは空間の一様性に結びついていると思われる。

2011年9月23日 (金)

ワンポイント・エネルギーはどのように説明?

再生可能エネルギー、資源エネルギー庁、エネルギー問題と一般には広くつかわれており、力とともに最もよく知られている物理用語です。だがこれをキチンと物理用語として真正面きって説明せよとなるとたちまち困難に陥る。二つのポイントと思う。

・ひとつは保存するなにか…エネルギーの形態は変わっても総和は一定。

・二つはめは仕事をする能力を有す。仕事とは∫F・drのFとdr内積で定義される。

あれこれ言ってもしかたないので、この二つで充分と思う、というか言いようがないように思える。熱力学や相対論やるともう少し理解が深まると思う。エネルギーが保存量というのは第一種永久機関は存在しない。つまりなにもないところから外に仕事する機械はありえないというふうに人間的欲望があったように、エネルギーは実用的な意味があると思う。


2011年9月22日 (木)

力学的エネルギー保存則とは禁止法則?

例えば反発係数ゼロつまり粘土のような物体が同じ質量、同じ速さで互いに逆方向で衝突したら衝突した瞬間、そこに留まってしまいそのまま動かない。運動量は粘土1がm1v1、粘土2を m2v2とすれば

 m1v1+m2v2はmv+(-mv)=0

衝突後は2m*0と運動量の総和も0なので、逆にひとつの物体が二つに割れて左右逆の方向に飛んでいってもなんら不思議ではない。もちろん第二法則で時間tを-tに変えても方程式の形は変わらない。実際にはこういうことは起こらないので、そういうことを起こさないようなする法則と捉えることができる。

衝突する前の粘土の運動エネルギーはだが衝突後は速度0なので運動エネルギーの総和も0となる。衝突後運動エネルギーはどこに消えたか??こうなると力学の範囲を超えてしまう。

そこで熱力学まで範囲を拡大すると、回答が得られる。衝突すると粘土の変形やら回転、最終的には熱となって拡散していく。それでエネルギー保存則が成り立つようになっている。そうすると熱力学でも同じ状況となるが第二法則を用意してひとりでに割れたりするようなことはないようになっている。

ところで質点は内部自由度を持ってないので反発係数が1未満とかありえない。だから当然衝突は弾性衝突である。上に掲げた粘土の場合はくっつかないまままったく同じ速度で反対の方向にはじき返される。

力学内においては力学的エネルギー保存則といって熱力学の第一法則とは区別している。だから粘土のような衝突は力学的エネルギー保存則を破っているので力学では論じないことになっている??

では力学的エネルギー保存則が成り立つのはどんな場合かというと保存力場内で運動する力学系のみという狭い範囲。

なので運動量に比べて見劣りがするというのが私の印象。

このページは書きかけです)

2011年9月21日 (水)

運動量保存則2…複数個の場合

二つの質点の話だったが複数の場合はどうか。
三つの場合はそれぞれの座標軸に投影して、X軸、Y軸で考える。こうすれば直線上に並んだ質点の重心として扱える。

Jushin2

まずx1とx3の重心を求める。
Xg13(m1+m3)=m1x1+m3x3、m1+m3≡m13

次ぎにXg13とx2の重心考えると
Xg(m13+m2)=m13Xg13+m2x2
なのだが重心m13Xg13はそのままm1x1+m3x3なので

Xgx(m1+m2+m3)=m1x1+m2x2+m3x3

となる。Y軸も同様に

Xgy(m1+m2+m3)=m1y1+m2y2+m3y3

N個の質点系の場合は

  

  

  

まとめてベクトルrを使うと

   

これも時間で割れば系全体の運動量は

    …(1)

となる。質点miにかかる力の内、系内の他の質点かかる力をFkiとし、それ以外の外からかかる力をFiすればmiの運動方程式は

   

ただしFiiは自分が自分自身からの力なので0となる。質点系全体にかかる力は総和

   

ところで右辺の最後の項はFikという力は作用反作用の法則から同じ大きさで向きが逆のFkiという力もある。つまりFik=-Fkiである。そのためこの和は0である。したがって右辺の最後の項は0となり質点系全体にかかる力は外力のみかかり、内部の力は寄与しないことがわかる。これは外力がかからなければ当然

   

となり、時間で割る前の式(1)はconstとなるので、外力がかからなければ系の運動量は一定に保たれる。このことから分かるように複数個からなる質点系でもその重心にあたかも全質量が一点に集まったひとつの質点の運動と考えてもさしつかえない。

流体もしくは連続的に広がっている時は積分をつかう。

全質量は密度をρ(x,y,z)とすればM≡∫ρ(x,y,z)dV
mixiの部分はxρ(x,y,z)dVである。したがって

Xgx∫ρ(x,y,z)dV=∫xρ(x,y,z)dV
以下同様に
Xgy∫ρ(x,y,z)dV=∫yρ(x,y,z)dV Xgz∫ρ(x,y,z)dV=∫zρ(x,y,z)dV
まとめてベクトルr

Xg∫ρ(x,y,z)dV=∫rρ(x,y,z)dV

これらが収束するかは条件がある。Σmiの項で数が無限大であったり、ρ(x,y,z)が空間全体にまんべんなく広がっていたなら収束しないだろう。広がっていても無限遠で十分早く0になれば有限となる。

続きを読む "運動量保存則2…複数個の場合" »

2011年9月19日 (月)

重心1

重心とは、重力の作用点
と定義されている。まず計算してみよう。質点1がm1、原点からの距離がx1で質点2がm2、原点からの距離がx2の場合、支点をXgとすれば、

Jushin

力のモーメントを考えると

質点1はm1G(Xg-x1)で反時計方向に回ろうとするモーメント
質点2はm2G(x2-Xg)で時計方向に回ろうとするモーメント
Gは重力加速度。

これも釣り合っていれば

  

で式の変形のみである。両辺のGを落として

    …(1)

から

   

が求める重心である。

だが重力使っての重心求めるのはあまり気持ちよくない。しかもGも途中からなくなっている。回転の時は遠心力がmrω2と表される。この場合m1G(Xg-x1)=m2G(x2-Xg)式のGの所がω2になるだけである。

(1)式をみると運動量の合成と見てとれないか、この式を時間で割ってみると

   

となり、右辺は入射時の各質点の運動量の合計である。すると左辺の質量の合計をMと書き換えて

    …(2)

さらに散乱後も運動量保存則からMVgの値は変わらない。もしかりに合計の重心質量Mしか見なかったら散乱が起きていることは判明できないだろう。Mを一つの粒子としてみれば等速直線運動しているだけである。二つの質点には相互作用の力は働いているが作用反作用の法則のおかげで、重心Mには力は働かずに慣性の法則が適応状態にあると言える。

このように一つの粒子とみなしうるのは運動量だけみればという話であるから運動量は速度より有用性が高いと言える。

このことは力学系の状態を表すのに位置と速度が必要だが、1個の質点の場合なら速度だけでもいい。だけど複数個になると運動量で表す方が都合がよいように思える。つまり相互作用がある場合、速度はたえず変化する。ところが運動量で表せば二つの質点でも一つの粒子として扱える便利さがある。

相互作用がある場合

2体衝突ではなく遠方から近づき、また遠ざかっていく時、互いに相互作用している場合を考察してみよう。
無限遠での入射時の運動量が11かつ22で、散乱後1v'1かつ2v'2の時は

互いに交換した運動量は

   

となる。高校物理では積分は御法度のようですが、右辺の積分は力積と呼ばれる高校ではおなじみの物理量だ。力が時刻と共に連続的に変化する場合は積分使った方がずっとイメージしやすい。二体衝突のときは一瞬で運動量の交換が行われるので衝突前後の結果さえ考えればよかった。ところが運動方程式の形F=⊿p/⊿tから 一瞬にもかかわらず微小時間⊿tを考えねばならず、それがつまずきの原因であったように思える。

さて、このように相互作用をになうのは各質点にかかる力だが、運動方程式を

   

とみれば力は運動量を強制的に変えてしまうという働きを持っていることが分かる。でもこれは力の定義ではない。須藤靖さんの「解析力学・量子論」によりますと、もしこの式を力の定義式とみなすと運動の第二法則の意味が無くなる。第二法則はあくまでも関係を述べたものであり、力は別個に定義しなければ…となっている。これを見たとき「なるほどそうなんだよね」と思った。自分も力の定義式と言ってきたこともあり、戒めのひとつだ。とは言っても力とはなにかを真正面から取り組むと難しい。日常生活でよく使われる言葉ほど難しくなるようだ。このことに関してEMANさんのサイトで詳しい解説がある。

http://homepage2.nifty.com/eman/index.html
の中の
http://homepage2.nifty.com/eman/dynamics/force.html

<<自分の感想>>

「力とは何か?」正直もうして力学の範囲ならあまり気にしなくてもよいと思う。運動量が交換されたんだなと思えばよいのでは。

余談だけどローレンツ力 F=e(E+v×B)はどうだろうか?遠隔作用の考え方だと電荷eは電場や磁場の発生源と運動量の交換が行われると解釈できるが、近接作用では式の通り電荷eが居る場所の電場や磁場と直接やりとりしたことになる。このことは電場や磁場に運動量をになう能力を有することになるのでは??

2011年9月18日 (日)

運動量保存則1

高校物理では外場が存在しないとき、運動量が保存するという。外場が存在しないとはどういうことなのか、そもそも運動量が保存するとはどういう意味なのか?

二体衝突問題
衝突前、質点1が質量m1、速度1、質点2が質量m2、速度2、が衝突して
衝突後、それぞれの速度がv'1v'2である時、

  

が成り立つ。つまりm1の運動量はm1v'1と変化し、m2の運動量はm2v'2と変化した。

この式から質点

    から

一方質点m2の運動量の変化は  から となります。上の運動量保存の関係式を

から が言える。

この運動量の変化 △pはニュートンの第二法則F=maF=△p/△tとみなし、△p=F△tとみれば運動量の変化は力が働いた時間の積とみれる。

すると△1F1△t、同じく△2F2△t
-△1=△2は△2+△1となり、F2△t+F1△t=なので
結局 F2F1となる。

これは質点1に働いた力と質点2に働いた力の合計が0ということ、つまり同じ大きさで向きが逆ということなのでニュートンの第三法則、作用反作用の法則ということになります。運動量保存則とは作用反作用の法則の反映と言え.る

続きを読む "運動量保存則1" »

2011年9月16日 (金)

質点の描像

質点は幾何学的な点である。有限な質量を持っているので質点が有るところでは密度は当然無限大。ここで空間全体にわたって密度の測定を行うとします。その密度に微小体積掛ければ微小体積分の質量が計算されるので、全空間にわたって和を計算すれば質点の質量となる。質点の質量を M 、かりに質点の密度を ρ とすれば

 M=∫ρdV

となるが密度の分布は上であるように、ある点で無限大で、それ以外はゼロとなっている。ここでデルタ関数を使ってみる。デルタ関数は高校では習っていないがそれほど難しい概念ではないのでその性質を記す。

 δ(x'-x)で
 x'=xの時δ=∞
 x'≠xの時δ=0

 ∫f(x')δ(x'-x)dx'=f(x)

三次元の場合は

 δ(x'-x) δ(y'-y) δ(z'-z) で

 x'=x、および y' = y 、および z' = z の時、まとめて

 δ(r'r)で r' r の時 δ=∞

 r' r の時δ=0

デルタ関数にあてはめてみると密度ρがδ(r'-r)に比例し質量がMなのでρ=Mδ(r'-r)とみなしうる。つまり空間のある部分で質量が一点に集中していることを表している。

<<余談>>

昔、工業高校の電気科、電子科に行ったことのある人なら微分回路とか積分回路を習ったことがあると思うが、矩形波を微分回路を通すと デルタ関数と似た様な波形が見られる。矩形波にもそれに当たる関数があり、ヘヴィサイド関数と呼ばれる。デルタ関数を思いついた人はきっと電気屋さんに違いないと思う。

2011年9月15日 (木)

ワンポイント1「質点とは」

高校物理では大きさを持たないと定義されているが、大きさを持つとはどういうことから始めるとワケワカメになる。というのは棒のような両端が固定された物体の力学状態を知るにはx,y,z,vx,vy,vzだけでは足りない。棒の位置や速度がわかっても、その棒自体がどのような運動しているかの情報が必要である。ある時刻にどの方向に向いているかはさらに二つの変数が必要で、例えば棒の中心に座標を設けてどの方角なのか測定する必要がある。さらにどのくらいの速度で回っているかの測定も必要。こうなるとやや複雑となる。さらに棒ではなくバネで結ばれた系ではバネの中心に置いた座標では撞径方向の情報も必要となる。

こういうことが問題になるのは系のエネルギーを考えた場合、バネにつながれた系ではエネルギーは運動エネルギーの他に回転エネルギーや振動エネルギーも考慮しなくてはいけないので複雑になる。熱力学ではエネルギー等分配の法則というのがあり、複雑な系ほど熱容量が高くなる。

ここであらためて大きさを持たないとはどういうことなのか考えてみると一つの疑問が生じる。高校数学で極限という概念を習った。

つまりバネでつながれた系を無限に小さくすれば大きさを持たないということになりはしないか。もしそうだとすれば変数の数がいつから6から3になるかが不思議だった。質点とは大きさを持たないという定義に従えばこのような疑問が生じてくる。

ということは定義がおかしいのではないか、大きさを持たないとは描像であってもうすこしまともな言い方が有るはずだ。

そこでこう定義をおこなう。「ある力学系の座標が(x,y,z)のみで記述される場合を質点と呼ぶことにする」つまり内部自由度が存在しない理想的な粒子である。

なぜこのような理想的な系を考えるのは話の出発点としてもっともシンプルな形を取るのは大変意義深いことと思えます。

続きを読む "ワンポイント1「質点とは」" »

用語を少々

「系」「力学系」

簡単に言えば運動方程式に乗るような数学的なモデル。

最も単純な例は一個の質点。以下複雑さを増していくと、棒のような固定された長さのある二つの質点で結ばれた物体。棒ではなくバネのような互いに長さが変わるけど束縛された物体、束縛されないけど互いに相互作用する粒子群、複数の粒子、もっと数が多ければアボガドロ数個の粒子群というより気体も力学系であるが重心が取れる条件となる。大きさが違っても太陽系も原子も力学系。最後は流体ですけどこれも重心が取れる条件となる。

自分としてはいくつかの質点が互いに相互作用しているけど全体として独立しているようなイメージを持っている。

「状態」

方程式から導き出された質点の関数はf(x,y,z,vx,vy,vz,t)=0の様に表され、ある時刻における質点の座標と速度を表している。このように関数で表される力学量の様を系の状態という。さらに複雑な系だと回転速度とか振動の力学量が加わってくる。

「自由度」

系の位置の状態を表すに最小必要な変数の数。
棒であれば5、バネで結ばれた粒子なら6です。

より以前の記事一覧

リンク

雑談コーナー

無料ブログはココログ