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2012年3月 5日 (月)

シュテルン=ゲルラッハ実験の素朴な疑問

筒井泉著の「量子力学の反常識と素粒子の自由意志」を読んで新たな疑問が生じました。記述もこの本のやり方に変えます。z↑は+zのように。訂正中です。

不均質磁場…磁気モーメントを持つAg流を送るとU=-μ・Bで与えられ、磁気モーメントに働く力はF=-gradUだけどZ成分だけ考えればμ・∂B/∂zとなる。均一磁場だと ∂B/∂z = 0となって力が働かない。

炉からコリメーターを通って平行流になり一連の不均質磁場を通過させる。この時古典の場合はコリメーター通過時は磁気モーメントの向きがバラバラなのでZ軸にそって帯状に現れると予想される。ところが実際は二つに分かれる。ここのところは「マンガ量子力学」にやさしい説明あります。

①最初の疑問はZ軸方向に不均質磁場を置くと二つの+zとz-に分かれるが+zだけを取り出し、再びZ軸方向の不均質磁場を通すと+zだけ現れて-zは現れない。さらにZ軸方向の不均質磁場を通すと+zだけ現れる。後は何回やっても+zだけ現れる。このことから+zに確定した状態といい、最初の不均一磁場を通した後はスピン値は「実在」の状態と言えるのだろうか?

最初の疑問は不均質磁場を通ることで対象の状態つまり運動量が変わるから対象をかき乱しているので「物理的実在」の条件にかなっているとは言い難いのでは。でもスピン値は確定した状態なので一部は満たしている。

②第二の疑問は重ね合わせです。+zのみを今度はX方向の不均質磁場を通すと+xと-xに分かれる。このことから|+z>=|+x>+|-x>と表されるが、

 通常の言い方だとそれぞれの固有状態がある時、それらの線形結合された状態も考えられるとなっているが、今回は最初に考えられる状態が決まっているので言い方の順序が逆なので変?

EPRの「実在」についての勉強です

(つづく)

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コメント

|z↑>=|x↑>+|x↓>じゃないですよ。
X方向の不均質磁場を通すと|z↑>は破壊されます。

コメントありがとうございます。上の文章は読み違えました。書き換えます。

|+z>のみ取り出してX方向の不均質磁場を通したあと|+x>と|-x>が現れるところですが11ページの文章だけ読んでもよく分かりません。不思議に思っています。状態|+x>と|-x>を適当に 組み合わせれば|+z>が作られるうんぬんのところで、具体的に見えてこないです?

本を見てないので11ページの文章とやらが何か分かりませんが、+zのAgが磁場との相互作用で+zの角運動量を奪われ、さらに+xか-xの角運動量を与えられて出てくるだけですから、最初の+zと出るときの+x or -xに何の関係もないことは自明じゃないですか?
これは最初が-zであっても同じですから、関係あったらオカシイでしょう。

>X方向の不均質磁場を通すと|z↑>は破壊されます
というのは、|↑x> か|↓x> かのどちらか一方(全体として混合状態)になる
ということだと思います。
どちらか一方では、|↑z> は、作れませんから。

z方向に揃えて、|↑z>だけのアンサンブルを作れば、
|↑z>=|↑x>+|↓x>
でいいと思います。 (1/√2は、省略)

尚、この場合、|↓z>だけのアンサンブルは、
|↓z>=|↑x>-|↓x>
です。 (1/√2は、省略)
根本香絵「量子力学の考え方」p81 参照

Hirotaさんと、入れ違いになってしまいました。

11ページの文章というのは、JJサクライ「現代の量子力学」のことでしょうか?

Agの状態だけだと両辺で角運動量が一致しないが、Agの角運動量と磁場が受け取った角運動量を合わせた状態の意味だったの?
「Agだけの状態」と思ってたのが誤解なら、今までのコメントは取り下げ。

>X方向の不均質磁場を通すと|z↑>は破壊されます
元が|z↑>であろうが何であろうが、ある方向を与えれば、その方向に向くか、逆方向に向くかのどちらかになります。これは、スピンの性質です。

>言い方の順序が逆なので変
例えば、Vという空間ベクトルがあったとして、それを2つの空間ベクトルAとBの和で表しても、
同値、つまり、言い方の順序は関係ありません。
状態ベクトルでも、同じことです。

「量子力学の反常識と素粒子の自由意志」の11pです。
「干渉」という言葉もあり、ますます分からなくなりました。
きのう「量子力学の考え方」も届きましたので、それみたら記号の書き方も含めて混乱しそうです。
今回のスピン1/2の時、|z↑>はZ方向の不均一磁場から出てきた流れのうち↓zをカットした残りという場合と不均一磁場から出てきた流れのうちz↑のみを抽出ばあいはまったく同値ですね。

筒井本に依るとX方向の不均一磁場を通すと+xと-xに分かれることから通す前の|z↑>は|+x>+|-x>の重ね合わせで表される。でいいですね。

|-x>と-|-x>,i|-x>,-i|-x>は全部同じ状態を表してますから、
|+z>=|+x>+|-x>
|+z>=|+x>-|-x>
|+z>=|+x>+i|-x>
|+z>=|+x>-i|-x>
のどれもあり得ます。
これらを|+z>,|-z>,|+y>,|-y>に振り分けるのは定義次第ですね。

じゃ、振り分けてみましょう。(根本香絵「量子力学の考え方」p76~81 参照)

仮に、ある方向をZ軸とすると、それぞれの射影演算子は、
Pz1=|↑><↑|、 Pz2=|↓><↓| となります。
したがって、射影測定演算子Mをエルミートとすると、
M=1/2Pz1 - 1/2Pz2

|↑>=(1;0) 、|↓>=(0;1) とすると、 ( ;は縦に書くという意味です)
Pz1=(1,0
      0,)
Pz2=(0,0
      0,1)

∴ Mz=1/2(1、0
         0、-1)
=1/2σz
同様に、X軸軸に対しては、Mx=1/2σx
=1/2(0,1
     1,0)
これから、
Px1=(0,1
      0,0)  

Px2=1-Px1 なので、
=(1、-1
    0,1)  

Z軸では、1/√2|↑>+1/√2|↓> の重ね合わせとすると、これを、Mxにて測定すると、
仮にあるX軸方向を決めると、 |←> になる確率は、<↑|Px1|↑>
=(1,0)(0,1 (1;0)
       0,0)
=0     つまり 0%

逆に |→> になる確率は、<↑|Px2|↑>
=(1,0)(1,-1 (1;0)
       0,1)
=1     つまり 100%

もし、Z軸で、1/√2|↑>+1/√2|↓> の重ね合わせでなく、どちらか一方の混合状態とすると、
|←> になる確率も、|→> になる確率も 50%ずつになります。

kafukaさん
遅くなってすいません、今本見ています。後でlatex使ってみます。

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