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2012年2月16日 (木)

観測、合成系、純粋状態などちょっとした疑問

<<追加>>この記事はいままで古い知識、つまり測定とは重ね合わせから一つの固有関数を取り出すことと、波束の収束があることは自然のように思っていましたが、最近の知識に触れ、自分自身も混乱があります。その混乱から抜け出そうという途中なので、そのような心持ちで読んでくだされば幸いです。したがってコメントが主体です。

ツイッターで話題になったこと

タイトルも適当かどうかも不明でこのへんは勉強不足です。そのため重いと感じる部分でもあります。

参考になるのは

Masahiro Hottaさん(@QEnergyTeleport)

の記事による所です。この中で

===引用==

十分に外部環境を広げて見ておけば、環境系のどんな初期状態も純粋状態とみなして良い。従って注目系と環境系の初期状態は純粋状態。相互作用が終わってから、注目系部分だけみるとデコヒーレンスが起きて混合状態になるが、全系では純粋状態のまま。量子的コヒーレンスは残っている。

=======

一般に重なり合った状態(純粋状態)から観測を行えば重なりから一つだけ取り出せます。この場合、波束の収束が起こります。そして不可逆です。でも観測(観測装置に訂正)という環境系も考慮した全系が純粋状態とは観測する前と観測後の状態の重ね合わせが可能ということ??このへんは時間的経過で表す?

昔にはなかった話なので混乱が生じています。(ひとまず書きかけ)

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量子力学」カテゴリの記事

コメント

「観測」じゃなくて「観測装置」が環境系です。
観測前後の状態が重ね合わさるんじゃなくて、観測後の「注目系+観測装置」のコヒーレンスが問題です。
物理現象じゃなく、人間がどう考えるかの話です。
全系を考えればコヒーレンスがあり(純粋状態)、観測装置に移ったコヒーレンスを無視すればコヒーレンスは消えたことになる(デコヒーレンス)。
重なり合おうと合うまいと量子力学的コヒーレンスを無視してない状態が純粋状態です。

量子力学の計算の手順は、まず、注目系に対してのみ行い、
(測定の反作用を無視するのであれば、それで終わりです)
「注目系+観測装置」に対し、射影仮説を適用します。

誤差のない理想測定なら簡単ですが、
誤差やエラーのある観測装置による測定は、POVM測定として記述します。
その場合、測定後状態は量子インスツルメントを用いて計算します。
(具体的には、理解しておりませんがw)

尚、デコヒーレンスは、物理過程ですが、
射影仮説は、物理過程ではありません(物理過程ではありえません)
しいて言えば情報的過程です。

系について、

系は、たまねぎ構造です。
まず、「注目系」
「注目系+観測装置」の系
「注目系+観測装置」+観測者の系
「「注目系+観測装置」+観測者」を測定する観測者の系

で、下位の系が、混合状態でも、上位の系では、純粋状態の重ね合わせ として、
記述できます。

純粋状態の重なり合いとは、ベクトル(状態)を「指定した基底ベクトル」の一次結合で表わしただけにすぎません。(重なり合い=一次結合)
ゼロでない任意のベクトルを基底に選ぶことが出来ますから、「重なってない」と思うこともできます。

Hirotaさん 基底の変換ですね。了解です。

清水博士の http://as2.c.u-tokyo.ac.jp/~shmz/zakkifiles/07-06-05.html に
被測定系に測定器の一部を加えた複合系をひとつの量子系として扱うことにより、
(i) 被測定系に対して射影仮説を用いたのでは実験と合わないケースがある
(ii) 測定器に対して射影仮説を用いれば常に実験と合う整合した理論ができる
(iii) 測定器の誤差や反作用も、量子論で矛盾なく計算できる

とありますが、逆に言うと、「注目系に測定器の一部を加えた複合系」でなく、
注目系だけの計算なら、射影仮説は、考えなくてよい
でいいと思います。

ヒルベルト空間や、混合状態、量子情報通信、POVM測定 については、
根本香絵「量子力学の考え方」サイエンス社
http://www.saiensu.co.jp/?page=book_details&ISBN=ISBN4910054700190&YEAR=2009
が、とっつき安く書かれており、参考になると思います。
「新版 量子論の基礎」より、具体的な分 わかりやすいかも。

ただ、前野先生の本を、一通り読まれた後の方が、いいと思います。

みなさんありがとうございます。昔の古い知識から今の知識とどのような位置づけになるか混乱している状況です。今しばらく時間を下さい。系についてkafukaさんの解説分かりやすいですが下位と中心つまり「注目系」ですね。それと観測者まで系に含むのはどうなんでしょうか?そこまでやっていいの?という感じです。

>観測者まで系に含むのはどうなんでしょう

スピン(↑、↓)の測定を例にとると、
観測者の脳が認識した状態を↑’、↓’とすると、
全系の状態 |Ψ>が、|Ψ>=c1|↑>|↑’> + c2|↓>|↓’> という Entangled状態になった
=観測した (|↑>なら|↑’> あるいは |↓>なら|↓’>)
ということです(多世界解釈のようですが、コペンハ-ゲン解釈でも、これは言えます)
Entangled状態というのは、1つが決まると、他方も決まる という関係です。
詳しくは、
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%87%8F%E5%AD%90%E3%82%82%E3%81%A4%E3%82%8C

つまり、「何かを観測したこと」を言うためには、観測者の存在が必須です。

で、量子力学には「状況依存性定理」というのがあり、
観測結果は、「観測する・しないにかかわらない実在」ではなく、何を観測するかに依存することが証明されています。
したがって、何を観測したか規定する必要があります。

上記の2つを合わせると、観測者を系に含める必要があります。

>測定とは重ね合わせから一つの固有関数を取り出すこと、波束の収束があることは自然

それはそれでいいのですが、「波束の収束」というのは、ある意味、とっても変なことなのです。
それを認めない(多世界解釈でなく)学者もいます。
参考までに書くと、
http://www7.ocn.ne.jp/~miyazaw1/papers/probability.htm に、

観測は ψ から A の固有状態 φi を掬い出す操作であり、状態が収縮するというのは不適当であろう。
池からバケツ一杯の水を汲んできて、池の水がバケツに収縮したと言ってはいけない。
  :
名古屋で電子一個を放出し、その波を半分に分けて東京と大阪に送る。
大阪で電子が見つかる確率は1/2であるが、そのときは電荷保存から東京では電子は見つからない。
したがって大阪で見つかった瞬間に電子波は大阪に集中し、東京ではゼロになる、というのが一部の人の主張である。

つまり、この方は、射影仮説を認めていないようです。

また、小澤正直博士のように射影仮説の代わりに別の機構を提案されている方も
います。

うーん。僕自身、わからない点というか、書いたことの矛盾に気づきました。
確かめますので、明日まで待って下さい。

みなさんありがとうございます。でも、そもそも観測装置は古典的対象物なので「注目系+観測装置」の系が量子的な現象に組み入れるのが腑に落ちないところです。理屈ではそうだと思いますがましてや観測者まで??難しいです。
>池からバケツ一杯の水を汲んできて、
>池の水がバケツに収縮したと言ってはいけない
確かにその印象はあるけど観測すれば固有値はただ一つなのでその固有関数に絞られるのは自然な感じはします。例えではバケツの水以外の池の水は全部消えたのだから。

古典的対象物とは「古典力学で近似しても良い」だけの物体なので、すべては量子力学的対象物です。
観測者も「物理的」には観測装置にすぎません。(「物理的」でない意味は下記)

波束の収束のような事は量子力学に限りません。
じゃんけんの勝ち抜き大会では、勝負一回ごとに敗者の優勝確率はゼロになり、勝者の優勝確率は不連続に上昇します。(一回ごとに確率計算した場合の話。それを計算するという意志には「物理的」な意味はない)
つまり、このような不連続変化は確率が関わる話では当たり前に起こることです。(だから、確率過程を使って量子力学を古典力学的に扱おうとする人たちがいるわけです)

>ましてや観測者まで??
それは、実在性どころか客観性まで否定されると感じるからだと思います。

測定を物理的過程とし、観測と分けて考えると、
観測は、射影仮説を適用した外側(たまねぎの)なので、
これは、いつ行われたか明確に言えない(例えば ウオルボーンの実験では、データを持ち寄って情報処理しないと干渉縞は現れない)
とかあるので、観測は、物理的過程とは言えないです。

また、例えば、スピンを測定して「↑だった」場合、測定器は1つですが、観測者は、
複数居ることが可能です。この時、ある人は、「↓だったと認識」するかも知れません。
(↑・↓は極端ですが、メータを0.56を読むか0.57と読むかという問題です)
したがって、観測者まで系に入れると客観性までなくなりそうです。

しかし、観測者を量子力学の対象とすると、
「↑だったと認識」と「↓だったと認識」の重ね合わせ です。
この系の外側に、新たにに観測者(1人)を置き、射影仮説を適用すれば、
どれか1つの値となり、客観性の問題は、回避できます。

>Hirotaさん、上記で 合ってますでしょうか?

これ以上、初心者を惑わすような話はしません。(だいたい、立場によって全く違う)

すいません。余計なことを書きすぎました。
(僕自身、よくわかってないところも あります)
こういうことの理解は、前野先生の本をマスターした後でも、遅くないです。
あせる必要は、ありません。

せっかくみなさんが回答いただいたけど思うようには理解できていません。でもなんとかまとめようとしています。サイエンス社の本注文しました。

>観測者も「物理的」には観測装置にすぎません。
目や触覚の延長としての観測装置と同列に見れば納得できますが、精度やとても理想測定とはほど遠いので?状態です。同様な印象で
>古典的対象物とは「古典力学で近似しても良い」
も?な状態です。もっとも腑に落ちないのはやはり
>全系を考えればコヒーレンスがあり
です。これは時間かかるのでしばらく置いておきます。
「波束の収束」は物理過程ではない。ということは理論上そうなる。
いろもの先生の本だと「射影仮説」とはいろいろな波動関数から一つの状態が確率的に選ばれる。
○またJJサクライの本では
射影仮説という用語は出てきませんが内容からすると「濾過法」に該当すると思います。
射影演算子|α'><α'|なるものを定義して任意の|α>から固有|α'>に平行成分を抜き取る過程だと述べています。

純粋アンサンブルとは純粋状態のこと?
さらにJJサクライの本の本では
任意の|α>から固有|α'>を得る測定を次ぎ次ぎに行い、そうやって作られた|α>を純粋アンサンブルと呼ぶあたりは、これを純粋状態といっていい気がします。

観測者が高精度な観測装置の出力を読み取る状況はメガネをかけて文字を読むのと同じです。「観測者は観測装置の一部」と言った方が良かったですかね。
「古典的対象物なら量子力学を古典力学で近似しても良い」は「速度が小さければ相対論をNewton力学で近似しても良い」と同じ意味です。
状態ベクトルで表わされる状態が純粋状態ですから、任意|α>も固有|α'>も純粋状態です。

>「観測者は観測装置の一部」
これだけ見るなら了解できます。
ただ観測者の脳が感じたら決まるという話はまだ腑に落ちていません。どういうことなのか・・というところです。
>固有|α'>も純粋状態です。
SG実験でZ方向の+Zのみ抽出してみると、X方向の+と-の偏りがあるとのこと、同様にY方向にも同様の偏りがある。
|Sz;+>=1/√2(|Sx;+> + |Sx;->)
さらに+Zのみ抽出→X方向の+のみ抽出→を再びZ方向の測定を行うとZ方向の+と-の偏りが再現されるとのことでした。
|Sx;+>=1/√2(|Sz;+> + |Sz;->)

すいません。この場を借りて、質問させて下さい。

>任意の|α>から固有|α'>を得る測定を次ぎ次ぎに行い、
>そうやって作られた|α>を純粋アンサンブルと呼ぶ

この文の解釈は、|α>=c1|α1>+c2|α2>+、、、
つまり、状態が上記のものを、複数 用意したもの
という意味だと思うのですが、

しかし、「測定を(次ぎ次ぎに)行い」 とあるわけで、それを言葉通りとるなら、
このアンサンブルの1つ1つは、純粋状態ですが、全体としては、混合状態になっているように思えます。
理由: 例えば、|α>が、|↑z>+|↓z> の場合、測定すると、このアンサンブルの1つ1つは、
|↑z>か|↓z>のどちらか一方だけ。ということは、全体の状態は、密度行列でしか表し得ない=混合状態
それを、純粋アンサンブルと呼ぶ のは 矛盾ということになる
と思うのです。

>観測者の脳が感じたら決まるという話はまだ腑に落ちていません。

僕が書いたことなので、僕が答えないといけないのですが、
この説明は、ghsoboさんが、「量子もつれ」の勉強に取り掛かるまで、ちょっと待ってもらえませんか。
というか、量子もつれ状態|Ψ>=|↑対象>|↑脳>+|↓対象>|↓脳> という記述がわかれば、
おのずと、わかります。

>+と-の偏りがある
何のつもりで書いたのかわかりません。
観測前も後も純粋状態ですが、それが信じられないと言う事ですか?

>観測者の脳が感じたら決まる
観測装置の出力がコンピューターに入って、観測結果に応じた確率計算や次の実験結果の予測計算を行う設定になってる状態を考えてください。
人間がやってるのも同じことです。

>何のつもりで書いたのかわかりません
平行にそろえられたAgを不均一磁場を通すことによって磁場の方向に二つに分かれることを「+と-の偏り」と言いました。ファインマンの本では一つだけ抽出する場合を「偏り」と表現しているので訂正します。EMANさんの掲示板にあるように意味を違うように使ってしまうのはよくありませんので、気をつけます。
kafukaさん
JJサクライの教科書の場合、穴から出たばかりのAgの磁気モーメントの向きはバラバラなので最初にZ軸に揃えた後、上向きだけを取り出して不均一磁場でXやY方向の測定を行うのではと理解しています。
結局、|α>は|↑z>で|↑z>=(|↑x>+|↓x>)/√2

|↑z>をZ軸で測定すると何回やっても|↑z>のみ見受けられることから純粋アンサンブルと呼ぶらしいです。さらにX軸の測定後も↑だけ抽出して|↑x>をX軸で何回も測定しても|↑x>のみ見受けられるという事情です。

そういう意味ですか、わかりました。
元の系の集合を、z軸方向で測定し、↑だけ、↓だけのアンサンブルを作るわけですね。

>穴から出たばかりのAgの磁気モーメントの向きはバラバラなので最初にZ軸に揃え
バラバラというのは、すべての向きについて、「その方向」と「逆方向」の重ね合わせ
で、Z軸に揃えるというのは、Z軸方向で測定し、↑z、↓z の結果を得る
ということですね。

kafukaさん、自分もそのように理解しています。ツイッターの方でhidarikawa_pさんがちょうど今twしているところでした。
http://twilog.org/hidarikawa_p

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