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2012年1月の3件の記事

2012年1月24日 (火)

清水明著「新版量子論の基礎」を読んで

 とにかくスゴイというか言いようがない。最初から混合状態とか純粋状態とかヒルベルト空間などの用語が出てくることから初心者向きの本ではない。ところが東大では1年のうちからやるそうで、これだけ見てもやはりトップの大学は違うと思う。さて、じぶんのように何十年もわだかまりのように腑に落ちないところを持っていると29ページから30ページを読んで大きな衝撃をうけた。引用してみると

===引用(太字またはカッコはブログ管理人)==========

「どうしてその要請をとらねばならないのか?」という問いかけの答えは「そうすると自然現象をうまく記述できるから」としか答えようがない

中略

そうであれば{P(a)}(確率分布)が具体的に求まりさえすれば、「状態」や「物理量」には、理論にしか存在しないような、抽象的な量を割り当ててもいっこうに構わないのではないか?

中略

日常言語、日本語や英語では日常経験を越えるような広い範囲の自然現象はうまく記述できないのは、考えてみればあたりまえである。自然を記述するのには、日常言語よりもヒルベルト空間論の方が適していた、ただそれだけのことである

=======================

 量子力学やり出すといきなり複素数が出てくるが著者によると上に書いてある通りなのである。長年持ち続けた疑問もバッサリと切って捨てるところは痛快といいようがなく、笑うしかありませんでした。

何年か前だったか「ギター侍」(波田陽区)が一時期ブレークしたことを記憶していますか。そんな感じ。この本は明快であり、言い切っている。自分にとっては鮮烈な印象でした。

ただこの説明を自分自身が言うのはやれないと思う。これは力量の問題。つまり地頭+学力+若さという勢い、いまの自分にはそれがないことは明らか。いまのところ量子力学をやれるだけの度量を持ち合わせてないことだけが分かった。

2012年1月16日 (月)

ハイゼンベルグの不確定性原理関連のニュース

○この記事は専門家が解説した記事ではありません。非専門家の記事です。内容に関して筆者が浅学なため見当違いや不明瞭なところがあるかもしれません。このように理解したということでマユツバを持って参考にして下さい。

最近話題になったニュースだけど

http://www.nikkei-science.com/?p=16686

昔ハイゼンベルグのガンマ線顕微鏡という思考実験を勉強したことあるけど今一つよく分からなかった。この記事読むと

==引用====

ハイゼンベルクは不確定性原理を考える際,この量子ゆらぎと測定による誤差や乱れを混同した形跡がありますが,量子ゆらぎというのはもともと物体に備わっている性質で,測定とは関係なく決まります。

======

そうなんですね。εqηp ≧ h/4πは昔の式ではΔxΔp≧hbar/2
これにσqηp + σpεq が加えられた。

量子ゆらぎとは量子特有の数値のバラツキの標準偏差のことで測定とは関係なく元からあった性質なんですね。εqηpはそれぞれ位置の測定誤差と測定後の反作用による運動量の乱れです。
 ガンマ線顕微鏡という思考実験の印象からすると元々確定した値があって、それを測定装置が不備なためΔxΔp≧hbar/2のようになっていると思われる。そうではない、もともと量子は最初から標準偏差のような広がった状態であったことを明瞭に示しただけだった。つまり量子状態そのものの不確定性と、測定誤差と測定の反作用としての不確定性がごっちゃになっていていた。

いまは不確定性原理とは言わず不確定性関係という。というのは量子状態そのものの不確定性は交換関係[x,p]=ihbarから導き出されるから。これは量子力学の公理→原理の一つとされている。下のリンクを読めば分かるとおり、この関係に変更を加えられようハズもなく、新聞見出しの 不確定性原理に欠陥…量子物理学の原理崩す成果 は大げさどころではない。間違った見出しだ。しいていえばハイゼンベルクの不確定性原理の説明に改良が加えられ、より分かりやすくなったと言うべきでは。

参考になるブログ記事
http://ameblo.jp/matoinoba/entry-11138169768.html

http://blogs.yahoo.co.jp/karaokegurui/64775359.html

解説のページ
http://www.ssl.berkeley.edu/~ishikawa/uncertain.html
http://www005.upp.so-net.ne.jp/yoshida_n/qa_a102.htm#q643

・標準偏差とはAnを測定データとすると√Σ(<An2> - <A>2)/Nで計算されるバラツキの程度を表す。これに50を加えたのが受験で知られる偏差値。

・測定は同じ状態の系を用意して個別に位置や運動量の測定を行う。このことによって測定後の反作用による乱れは関係なくなり、純粋に量子状態が取り出せる。

○キチンと勉強したい人は以下の文献および参考書でお願いします。

○キーワード
ケナード・ロバートソンの不等式
小澤の不等式

○参考書
量子ゆらぎおよび不確定性関係については
「新版量子論の基礎」清水明著の78ページ~88ページ

<<追記>>
 不確定性原理というとやはりハイゼンベルグのガンマ線顕微鏡というイメージがある。不確定性は観測装置の不備によるものというイメージがあるせいで、それが原理的に同時に確定値を持たないという説明にいまひとつよく分からなかった。だが新しいトレンドによると電子などの量子的粒子は元々そのような性質を持っていたことは、つい最近知るようになった。今回のニュースで解説のページにあるように
>不確定性原理をハイゼンベルク流に理解している初学者には
>目新しく感じられるでしょう。

まさにこの通りでした。
 新しい知識はアンテナ張って取り入れるベキですね。上記の参考書は表題とは裏腹にレベルが高い。さすかトップの大学だ!すごいてっとり早く知るには「マンガ量子力学」講談社ブルーバックス石川真之介著あたりがよいと思います。

2012年1月 7日 (土)

自己力、試験電荷のつぶやき

自己力とは静電場で見るとすでに与えられた電場に試験電荷qを置くとF=qEという力を受ける。ところが試験電荷も電荷を持っているのでそれも電場を作る。よって実際の力は
  F=q(与えられた電場E+q自身が作る電場E_q)
のように思える。ところがq自身が作る電場は寄与しないらしいけど手詰まり状態。

試験電荷は点電荷なのでE∝q/r2なのでr→0で無限大かつその方向も定まらないという特異点が存在する。Eが球対称でその中心と試験電荷が完全に一致しないとすぐに跳ねとばされてしまう。その試験電荷を加速度運動させるとどうなのか、場は有限速度でしか伝わらないので試験電荷の速度の情報が近隣であってもすぐには伝わらないので球対称が壊れることになるのでは?

力学では質点という概念を受け入れたけど点電荷はどうも受け入れ難い。

したがって点電荷ではなく、密度ρ(xyz)で広がりで計算するほうがよいのではと思える。

では広がりを持つ試験電荷ρ(xyz)が自分自身にかかる力は

x,y,zをベクトルr、x',y',z'をベクトルr'で代表することにし、Eの任意の点rにおける電場の強さEは次の積分で求められる。rの点のまわりを変数r'で積分する。dV'は微小体積でdV'=dx'dy'dz'とすと

この式を上のFに入れると

この式はr'で計算した後rで計算しても順序を変えても計算値は変わらない。しかしr'とrを入れ替えると符号が変わる。このことは試験電荷にかかる力が有限値だとすると矛盾するのでFは0でなくてはいけない。静電場の場合は自己力は0になるので考えなくてもよろしいということになる。

次は静磁場はどうか。

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