運動量保存則が成り立つ座標系とは
運動量についてさらに追求します。
複数の質点が互いに相互作用しても作用反作用の法則から互いにうち消しあって系全体には力はかない。このことから系全体はあたかも一個の粒子として運動しているのと同じことになる。内部の力以外に力がかからなければ当然等速直線運動をする。
ここである考察が生まれる。
ある地点で運動量の測定を行い、ある時間経ったら当然別の位置に移動している。最初の時刻の位置をAとし、経過後別の時刻でBに居たとするなら、AとBの運動状態が変わらないのであれば、初期状態が不明なら、自分がどの位置にいるか不明であろう。つまりA地点とB地点を区別する手段を持たないことになる。ということは運動量保存則が成り立つ座標系ではどこを取っても平等であろう。それは運動量保存則が成り立つ座標系ではあらゆる点において力学的に一様であり、このことは座標の原点は自由に取れることを意味する。このように運動量保存則が成り立つことは空間の一様性に結びついていると思われる。
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コメント
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Wikipedia によると、
空間並進の無限小変換に対する作用積分の不変性に対応する保存量として運動量保存則が導かれる。
とのことですから、「空間の一様性に結びついている」のは、正しいと思います。
逆に、運動量保存則は、
「ある系に外部から力が加わらないかぎり、その系の運動量の総和は不変である」
ということですから、
外部から力が加わった時=加速度運動する時は、「空間(座標系)は一様ではない」
ですね。
投稿: kafuka | 2011年11月12日 (土) 12時21分
コメントありがとうございます。須藤靖著解析力学ではニュートン力学の範囲では得られないということですが、解析力学に入る前にいろいろ考察してみました。まだ力学的エネルギー保存則は不明です。
投稿: ghsobo ブログ管理人 | 2011年11月14日 (月) 08時13分