相対運動の疑問1
電磁気学でもっとも分からなかった話題のひとつ。
参考文献として砂川さんの「理論電磁気学第3版」340ページの例題です。
まずZ軸にそった静磁場(0,0,Bz)に荷電粒子eが置かれている。この粒子はK系では静止しているものとする。こうした場合、荷電粒子eにかかるローレンツ力は0となるのでいくら時間経っても静止しています。なをグラフの-Y軸は
この図をZ軸を上から見て反時計方向に90度回転したためY軸正方向が向こう側になったため手前が負の方向になる。
今度はK系に対してX軸に正方向に速度Vで動く慣性系K'系を考える。K'系にいる観測者から荷電粒子eを見るとX'軸に対して負の方向にVで動いていることになる。
K'系から見たこの荷電粒子eにかかるローレンツ力は
ev×BzとなりvとBzは90度なので、かかる力はY軸の向こう側つまりFy=ev・Bzとなり、z'軸を中心とするを訂正→X'-Y'平面と平行な面での円運動と予想される。普通にK系が考慮されなければそうなると思われる。しかしこれは矛盾する。もしK'系にいる観測者からK系をみたら荷電粒子はK系の座標にくくりつけられて見えるハズだ。つまり円運動でなく負の方向に等速直線運動していなければならない。
そのためにはev・Bzの力とは逆方向に同じ大きさ -ev・Bzが働いてキャンセルするようになっているとのこと。-ev・Bzというのは電場Eyが担っているとのこと。
ここが分からない。最初K系ではローレンツ力 eE+ev×Bはそれぞれ0+0×Bz …(結局0)
がK'系に移るとeEが突如染み出して磁場による力ev×Bをうち消すような格好になっている。静磁場なのに電場が染み出したのか不明である。
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コメント
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答えをしっているかもしれませんが、電場や磁場は慣性系毎にことなります。
つまりK系で静磁場Bだけが存在して、電場E=0であっても、走っている人に
とってはBもEも異なってきます。どういう風に異なるかは、電磁場のローレンツ
変換を行わなければ直ぐには分かりませんが,電荷の運動に矛盾ないように
場が変換することになります。
投稿: アトム | 2011年12月27日 (火) 05時31分
コメントありがとうございます。
二つの思いがあります。ひとつは現実に合うようにEやBが変換する。これだとなんかつじつま合わせな感じあります。もうひとつは、EやBがより根元的量で表されており、その量見れば疑問が解決される。divBのローレンツ変換みると不思議なことに進行方向では変わらないのに垂直方向が変換されます。そこまでは至っておりません。
投稿: ghsobo ブログ管理人 | 2011年12月29日 (木) 08時24分