質点の描像
質点は幾何学的な点である。有限な質量を持っているので質点が有るところでは密度は当然無限大。ここで空間全体にわたって密度の測定を行うとします。その密度に微小体積掛ければ微小体積分の質量が計算されるので、全空間にわたって和を計算すれば質点の質量となる。質点の質量を M 、かりに質点の密度を ρ とすれば
M=∫ρdV
となるが密度の分布は上であるように、ある点で無限大で、それ以外はゼロとなっている。ここでデルタ関数を使ってみる。デルタ関数は高校では習っていないがそれほど難しい概念ではないのでその性質を記す。
δ(x'-x)で
x'=xの時δ=∞
x'≠xの時δ=0
∫f(x')δ(x'-x)dx'=f(x)
三次元の場合は
δ(x'-x) δ(y'-y) δ(z'-z) で
x'=x、および y' = y 、および z' = z の時、まとめて
δ(r'-r)で r' = r の時 δ=∞
r' ≠ r の時δ=0
デルタ関数にあてはめてみると密度ρがδ(r'-r)に比例し質量がMなのでρ=Mδ(r'-r)とみなしうる。つまり空間のある部分で質量が一点に集中していることを表している。
<<余談>>
昔、工業高校の電気科、電子科に行ったことのある人なら微分回路とか積分回路を習ったことがあると思うが、矩形波を微分回路を通すと デルタ関数と似た様な波形が見られる。矩形波にもそれに当たる関数があり、ヘヴィサイド関数と呼ばれる。デルタ関数を思いついた人はきっと電気屋さんに違いないと思う。
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コメント
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デルタ関数を考えたのはディラック ですよ。
「ディラック のデルタ関数」と言うくらいですから。
投稿: hirota | 2012年2月 3日 (金) 11時17分